こんにちは。
みなさんはこれからの時代、哲学が必要だと思いますか?
僕は哲学を学び続けて5年以上が経ちますが、個人的には必要だと思っています。
今日は、これからの時代、哲学が必要になる理由を3つご紹介します。それではどうぞ。
目次
溢れかえる情報から正しいものを選ぶ必要がある
現代は情報化社会であり、個人がインターネット経由で情報を手軽に手に入れられます。
企業やブロガーなど、文字を書くことが仕事ではなくても情報発信が手軽にできるのも特徴です。
すると、個人の経験や主義主張をもとにした情報があふれかえるので、その中から正しいものを選ぶには熟考する必要があります。
環境が激しく変わるので狂信や偏見に陥らない慎重さと強さが必要
現代はVUCA時代と言われます。
要するに、1年前に役に立った知識やスキルが、今年は役に立たなくなるくらい環境の変化が激しく、一寸先は闇という状態です。
私の職場でも「変化をしなければいけない」や「新しいことをして競争に勝たなければ」など、「変化」と「前進」に関する会話を嫌というほど耳にします。
変化=前進と前向きに捉えることももちろん大事なことですが、もう一つ、変化=混乱という視点もセットで考える必要があります。
人間は確かに理性的な側面も持っていますが、同時に間違う生き物でもあります。
変化が多い時代は混乱が生じて狂信や偏見に陥ってしまう危険性もあります。
だからこそ、周りの意見に惑わされない慎重さと強さが必要になり、それは哲学的に考える習慣で身につけることができます。
企業が従業員の面倒を守れないので人生を自分で切りひらく必要がある
目まぐるしい環境の変化の中で、企業は多大な影響を受けています。
実際2019年にトヨタ自動車の豊田章男社長は、以下のように述べています。
雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた
大企業といえども、従業員の終身雇用を守っていくことは難しいという時代なのです。
つまり、これからの時代は、自分の経済的な安定や成長は企業に頼ることができない可能性も秘めているということです。
人生設計は自分でしなければならないというのが、これからの時代のスタンダードになるかもしれません。
そのような時代において、迷うことなく正しい選択ができるでしょうか?
考える習慣がない人には難しいかもしれませんね。
「どうやって生きていく?」「何をしたら幸福なのか?」を考えて個人個人が今後の人生を生きていく必要があります。
ここで求められているのは、単なる職探しだけではなく人生の意味や目的に対する回答です。
職探しの時は切っても切り離せない大きなテーマですよね。
自分で考えて動かなければいけない時ほど、「何をしたら幸福なのか?」という問いが重たく感じます。
普段からこのような哲学的な問いに答えておく習慣があることで迷いなく人生を歩んでいけますね。
(まとめ)これらすべてに解決策を与えるのが哲学をすること
国や人間の社会が混乱にみまわれた時、解決策を与えるのはいつも哲学でした。
その良い例がフランスの歴史です。
実は、フランスの教育は哲学が中心にあります。
日本でいうセンター試験と同じように、フランスにも「バカロレア」という国が用意する大学入試制度があります。
問題はすべて論述形式で、しかも文系理系問わず、哲学が必修となっています。
「幸福とは何か」「自由とは何か」というテーマに対してフランスの高校生たちは何時間もかけて論文を書きます。
なぜこのような教育制度になっているのか?
それはフランス革命にあります。
フランス革命後のおよそ100年は国の政治は混乱しており、安定するまでに長い時間を要しました。
その中で、狂信的な発言や偏見に踊らされず、正しいものを選択する知性が求められました。
なぜ熟考と内省が必要かと言えば、革命後の100年は、急進派による恐怖政治や、王政復古、二度の帝政を含めた目まぐるしく変わる政治形態と混乱の中で多くの血が流されたからである。
引用元:渡邉雅子著『「論理的思考」の社会的構築』(岩波書店)P.77
「自由」「平等」「博愛」をうたう国も、国として安定するまでにさまざまな苦労を経て今にいたっています。
この苦労を経験したからこそ、他者の反対意見も交えつつ、熟考と内省を通じて論証する教育に力を入れてきたのです。
今と同じかそれ以上に不安定な状態を経験したフランスは、哲学教育をベースに狂信や偏見から自由になり、正しく判断する思考方法を磨いてきました。
混迷する現代に生きる私たちも、フランスから哲学から学ぶものは多いのではないでしょうか。