Philosophy

客観的とはどういう意味?わかりやすく解説

2022年5月21日

内容に広告・プロモーションを含みます

こんにちは。
何か意見をいうときに、「それって主観だよね」って言われたことありますか?

僕はありますし、言葉でいわれなくても雰囲気で圧を感じることが多々ありました。
その度に僕はデータに不備があったかなとか、色々考えてみたけど、そもそもデータの集め方が意図的だったりするしもやもやしていました。

今日は僕と同じような悩みを持つ方向けに、客観的という言葉の意味をわかりやすく解説します。
僕は哲学を5年以上学び続け、言葉もつ意味にかなり詳しくなりましたし、歴史にも詳しくなりました。
この記事を読んでいただくことで、客観的という言葉の意味がわかり、世間一般の表面的な議論に騙されなくなります。

それではどうぞ。

「客観的」の一般的な意味

客観:自分が意識しなくても、客体としてだれでもその存在を認めることが出来るすべて。

客観的:見方が公正であったり、考え方が論理的であったりして、多くの人に理解・納得される様子だ。

『新明解国語辞典第七版』三省堂

辞書をひいてみるとわかるように、だれもが「Yes!!!」ということができるものが客観的という言葉の意味です。
一見正しいように見えますが、これを現実でやろうとすると大変なんです。

よくある例としてはビジネスがあります。
SWOT分析です。
ビジネス戦略を定めるために、「Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)」4領域の項目をそれぞれ埋めていくのですが、
これを作るまでは問題ないのです。

作った後、会社のメンバーに合意するところに持っていくのが大変なのです。
なぜなら役職や時代、相対しているお客様の状況によって4領域の中身が変わるからです。

これはデータ分析をしっかり行ったとしても同じです。
なぜならデータの取り方や見せ方が無意識に自分の考えを補完するように作ってしまうからです。
作り手の意図がふんだんに盛り込まれたデータは果たして客観的と言えるでしょうか?言えないですよね。

誰にとっても客観的な事実は今のところない

実際、僕が長年学び続けている哲学の歴史でもおおよそこんな感じの議論がされてきました。

  • 古代:真理の探究(だれもが「そうだ」と認める普遍的な真理があると思っていた)
  • 近代:普遍的な真理はなさそうだ。ただ人間が物事を認識する構造は普遍的なのでは?
  • 現代:人間は言葉で物事を認識しているから言語を解明すれば普遍的な認識の構造が解明できるのでは?

解説します。
もともと、哲学者はこの世には、だれもが存在を認める普遍的な真理があるはずだと考え、探究してきました。
しかし、いくら頑張ってみてもだれもが認める普遍的な真理にはたどり着きません。

近代になるとその試みもほどほどに方向転換が起きます。
カントという哲学者はこう考えました。
「どうやら、普遍的な真理はなさそうだ。もし仮にあったとしても、神でもない人間にそれを見つけることはできなさそうだ。しかし、人間がどのように物事を捉えているか、その基本的な条件や法則だったら解明できるのでは!」と。

カントという哲学者の考えをきっかけに、外側の世界の探究から人間の内側の探究へと大きく方向転換しました。
そしてその研究がどんどん進みます。
現代になると、「人間が物事を捉える時は言葉を使っている。だから、言語の法則を解明すれば良いのでは!」という風に進化します。
僕たち人間はが物事を捉えるときの法則はどのような言語を使っているかにかかっているということです。

実際そうですよね。日本人は「水」と「お湯」二つの言葉で使い分けますが、アメリカ人はどちらも「water」と表現します。
ちなみに、アフリカのとある民族には、水に関する単語を何十個も持っている人たちもいるそうです。
それだけ水が生活と密接に結びついているということですね。

この例を取ってみても、僕たちが所属する共同体の言語によって、物事の捉え方はいかようにでも変わります。
単純にデータ分析をしたりするだけでは客観的な発言をしたとは言えないのです。
なぜなら、自分が属しているところのルールや価値観が無意識に入り込んでいるからです。
自分の価値観が入り込んでいたら完全に主観的ですよね。

自分たちがどんな教育を受けたかを知ることで「客観的」に発言できる

ではどうするのかというと、自分たちがどんな教育をうけ、どんな表現方法を学んできたかを振り返ると良いです。
小学校では「読書感想文」、大学では「卒業論文」、社会人では「プレゼン方法」と、いろんな表現方法を習ってきていますが、そこでどんなことを求められてきましたか?
それをすることでその後どのような行動をすることが良しとされてきましたか?
冷静に見つめて分析してみてくださいね。

そこがわかると、いろんな人が言っている言葉の背景が汲み取れるようになり、かなり深い発言ができるようになりますよ。
ビジネスで一目置かれることも間違いなしです。ぜひ頑張ってください!

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

takaya

こんにちは。ブログを読んでいただき、ありがとうございます! 競争社会から抜け出して自由に生きる方法を発信しています。

-Philosophy