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【アメリカの哲学】プラグマティズムについてわかりやすく解説【実例付き】

2022年6月16日

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こんにちは、米澄岳弥(Yonezumi Takaya)です。
哲学を10年以上、研究し続けています。
今日は、アメリカが生んだ哲学思想の「プラグマティズム」についてわかりやすく解説します。

プラグマティズムについてわかりやすく解説【実例付き】

プラグマティズムは、アメリカで生まれた哲学です。
その内容を簡単に言うと、「役に立つことを真理だとする立場」です。

私たちは大抵、いろいろな「信念」を持って生活しています。
「人と会ったら挨拶しなければならない」「ご飯が出てきたら『いただきます』と言う」などが例に挙げられます。
そういった信念は、大抵の場合は通用しますが、通用しなくなることもあります。

例えば、私たちは、コンビニに行けばジャンプが置いてあるはずだと思っています。
しかしある日、ジャンプがコンビニから姿を消してしまいました。
毎週ジャンプを読むのを楽しみにしていたので困ってしまいます。

さて、この問題を解決するためにどのような方法が考えられるでしょうか?
ざっと挙げるとこんな感じになります。

 

  • 諦めて忘れる
  • 自分のためだけに描いてくれるように漫画家に手紙を出す
  • 仕方がないので自分で漫画の続きを描く
  • 出版社に爆破予告をして脅す
  • 強盗で資金を集めて出版社に刊行させる

 

これらの選択肢の中で、私たちは自分が一番納得できる行動を選択するはずです。
そうして心のモヤモヤを解消して幸せな人生を引き続き送ります。

プラグマティズムで大事なことは、自分が納得すればそれでいいということです。
正しいとか間違いがあるわけではありません。
この中で、爆破予告や強盗など、物騒な選択肢もありますが、プラグマティズムでは問題になりません。

大事なことは、自分が納得したことかどうかであり、物事の善悪で判断することではないのです(後ほど解説します)。
だからこそ、プラグマティズムとは、役に立つこと(納得できること)を真理(信念)とする立場なのです。

なぜプラグマティズの考え方が生まれたのか?

もともと哲学は、古代ギリシャからスタートしており、ヨーロッパ大陸を本場としています。
古代ギリシャを起源とするヨーロッパ大陸の哲学をざっくり解説すると、とても合理的な哲学思想です。

もともとこの世には、目に見えない絶対の真理があってそれが世界を形作っているとする立場をとります。
つまり、プラグマティズムとは反対で、善・悪、正しい・間違いの普遍的な基準が必ず存在しており、ルールとして世界を支配しているという考え方です。

一方、プラグマティズムは絶対的な基準を認めません。
なぜなら、何が正しいかはその時々の置かれた立場や文脈で異なるからです。

プラグマティズムは絶対的に正しい基準を置くことはなく、常に信念体系を更新し続けるのです。
先ほどの例で言うと、爆破予告をして漫画を出版させようとする行為は犯罪になり、人生計画が台無しになります。

自分を幸福にしてくれる選択肢を選ぶことで、私たちは人生をより良くしていくことができます。
絶対的な真理や基準を想定すると、間違っていても気づかないことが多いです。

一番有名な例は、コペルニクスが唱えた地動説です。
今ではもはや太陽の周りを地球が回っていることは常識になりましたが、同時は太陽が地球の周りを回っているとする「天動説」が常識でした。

コペルニクスが地動説を発見した時、ローマ教皇庁からは聖書に反するとして圧迫を受けました。
このように、絶対的に正しい何かを想定してしまうと、間違っているにも関わらず認めないという困った事態に発展してしまいます。

プラグマティズムの思想は、むしろ自分の信念体系が揺らいでも、それを真摯に受け止めて探究をスタートさせることで独断や偏見から解放されます。
いろいろな仮説を自分なりに立てて、実験し、間違っていたら修正し、合っていたらより高次元の信念体系が構築されます。
考え方がどんどんアップグレードされていくのでコペルニクスが受けた圧迫はなくなる可能性が高いですね。

哲学は本来、物事の真理を解明する学問なので、独断や偏見から自由であることはとても重要です。
その意味では、プラグマティズムも、有用なものを真理とする立場で独断と偏見から解放する立派な哲学と言えます。

ブログは以上です。

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